古賀:アニメ『彼女、お借りします』の監督の古賀一臣(Kazuomi Koga)です。今まで関わった作品などは有志が作成してくれたWiki等参照してください。
ーー監督の制作モットー「見た対ところを盛っていく“コスパの高いファイル作り”」との点ですが、具体的は「かのかり」においてどんなところに意識してるですか?
古賀:『かのかり』のアニメは、まず出てくるヒロインが可愛いという事がマストです。特にアップで映る時にはディティールを増やして瞳や髪の毛に処理を重ねています。逆にロングの時は省略作画をして作画の負担を減らしてバランスを取っています。また、特に必要の無い段取り芝居を省略し、カットつなぎでテンポ良く見せる事で作画枚数を減らしています。背景美術も写実的なものよりポップなイメージ背景や省略した絵画的背景でキャラクターに目がいくようにしています。所謂、古き良きリミテッドアニメの手法を最大限活用しているという事です。
ーー「かのかり」の一大魅力としては豊かなヒロインたち、監督に思う、アニメにならではの表現仕方を教えてください。
古賀:『かのかり』のアニメならではの表現、として特筆すべきはその可愛らしい仕草やコミカルな芝居に動きがついたというのは勿論、キャラデ総作監の平山寛菜さんによるアニメーション用としてリファインされたデザインでしょう。そしてそれに声と魂を吹き込んでくれた演者たちの素晴らしい芝居です。
ーー原作者の宮島先生は、脚本会議に参加されていますか?あるいはどんな打ち合わせされましたか?
古賀:宮島先生には脚本会議から参加してもらいました。幸いな事に僕と先生の作品に対しての方向性やキャラクターに対しての考え方は殆どの事柄で一致していたので、とてもスムーズに進みましたね。
ーー魅力的なヒロインたちと対照的、主人公の木ノ下和也は優柔不断で、頼りない様子で、そんな彼に、ヒロインたちの心を掴む一番の理由を教えてください
古賀:主人公の和也は欠点だらけのとてもダメダメな大学生ですが、彼にはここ一番での行動力があります。誰もが躊躇するような場面で、本気で相手の事を想う優しさとそれを真っ直ぐに貫ける愚直さが、時に迷い、時に立ち竦み、移ろい悩めるヒロインたちの心を掴んでしまうのかもしれません。
ーー監督的に、一番お気に入ったヒロインとその理由を教えてください
古賀:一番お気に入りのヒロインは…どの子も魅力的なので選べません。どのヒロインも違った魅力に溢れています。それを選べなんて中国で一番美味しい郷土料理はどれ?と聞くようなものですよ。
ーー制作現場に何か印象的な出来ことがあれば教えてください
古賀:アフレコ作業と映像コンディションも良く、演者達も実力者揃いだったのでアフレコが短時間で終わる事が多いのでいつも皆で食事に行ってました。制作納品後もリモートで毎週呑んでますし、なんなら放送時に皆リアルタイムでTwitterで実況しています。こんなに仲が良い現場はあまり聞いたことがありません。
ーー最後に、今後の見ところを含め、中国の読者へメッセージをお願いします
古賀:12話は貴方の心を必ずや打つ大変素晴らしいものになっています。アニメ化された範囲の物語は原作の中でも最初のほんの前奏と言っていいです。原作ではこの先、どんどん面白く、心震わせ、愛おしい彼ら彼女らの物語が続いてゆきます。貴方達の作品への愛がこのアニメを2期に続かせるでしょう。
では「さようなら」ではなく「またね♪」
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